平成28年以降、接骨院の倒産件数は増加傾向にあります。帝国データバンクの調査では、平成20年から平成30年の10年間で倒産件数が3倍超となっているというデータもあります。
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、全国の接骨院の数は令和2年の時点で50,364院あります。これは平成12年からの20年間で2倍超になっている計算です。
さらに、総務省のデータによると、日本の人口は平成22年から減り続けており、今後数十年はその傾向が続くと予想されています。
つまり接骨院数が増えていく中で人口は減っていくため、1院あたりに見込まれる患者数も減っていきます。
厚生労働省の発表によると、柔道整復分野の療養費は平成23年をピークに徐々に減少しています。
1院ごとの療養費に換算すると、平成22年から平成30年までの8年間で400万円以上も減少している計算になります。
これは、上記の「1院あたりに見込まれる患者数の減少」も大きな原因の1つと想定されるため、こうした傾向は当分続くと思われます。
このように、接骨院業界の療養費は減少傾向にあります。そして近い将来に急激に増加することは期待できません。
こちらのデータは、当社のサービス「レセONEプラス」「Ligoo POS&CRM」導入院のデータから算出された、全国接骨院の「窓口合計金額(月額)の平均値」です。
平成27年から令和4年までの7年間で、103万円も上昇しています。
※窓口合計金額:計測期間内に来院された患者様の窓口支払いの合計金額(千円以下は切り捨て)
売上とは、人数×単価×頻度です。この3つの数値を最大化していくのが売上をアップさせることに繋がります。ただし、「人数」は難易度の高い項目なので取り組むには注意が必要です。
前述したように、1院あたりに見込まれる患者数は減ってきています。新患の獲得に取り組むことは大事ですが、獲得できる絶対数には限度があります。
つまり、単価や頻度に対して優先的に取り組まなければなりません。
特に頻度は大切です。頻度を改善するためには「離反者=離れる患者様」の原因を必ず分析して対策を打ってください。
この対策がきていない院は穴の開いたバケツと同じです。患者様をいくら集めることができても、水がバケツの穴からこぼれ出ていくように患者様が離れていって、売上が減少してしまいます。
今の時代、開業さえすれば患者様が来てくれるという感覚でやってしまうと高確率で失敗します。感覚ではなく、数値をとって必ず原因の分析をしてください。離反者を減らしてリピーターを増やすには、データの分析が必要です。
では、どのようにデータ分析をすればいいのか?簡単ではありますが、離反者分析の事例をご紹介します。
このように、理由によって離反者への対策は異なるので、データを分析するというのは大切です。
親御さんを呼ぶことで「新患にもつなげられるかもしれない」など、次のアクションプランも立てられます。
先生の院では、どのような患者様が多いのか?どういった時に離反をしているのか?本当に離れて良かったのか?これらを分析してみてください。
その分析結果から対策を立てることで、離反者を減らしたり、リピーターを増やしたりすることも可能です。また、データを分析することで患者様のニーズも見えてきます。ニーズが見えれば、それに対応した自費メニューの開発で単価を上げることができます。
データの分析は、院の売上アップに繋がる大切な作業です。まだ取り組んでいない先生は、ぜひ取り組んでみてください。
この「鍼灸・接骨院業界平均値データブック【2022年度上半期】」に書いてあること
・2022年度上半期データ(2022年4月~9月)
・昨年度上半期の振り返り(2021年4月~9月)
・昨年度対比(2022年度上半期:2021年度上半期)など
本冊子を、貴院のビジネスにお役立ていただければ幸いです。